こんにちは、エムです。
第21回電撃小説大賞〈メディアワークス文庫賞〉受賞した
北川 恵海さんの「ちょっと今から仕事やめてくる」という
小説が、話題になっています。
漫画化され、しかも映画にもなるので気になりますね。
「ちょっと今から仕事やめてくる」のあらすじは
「ちょっと今から仕事やめてくる」なんて
タイトルを見た時には、なんだか軽くって
漫画っぽい感じがしました。
漫画版はこちらへ>>
ちょっと今から仕事やめてくる【電子書籍】[ 鈴木 有布子 ]
あらすじは、
新卒入社の主人公である青山隆は、
早朝に出勤して、退社は夜9時過ぎ、土日出勤も当たり前で
残業もサービスばかりです。
上司からも常に理不尽なことで怒鳴られていて
仕事のノルマが厳しく、精神的に追い詰められていました。
ある日、疲労のあまり駅のホームで意識を失い
危うく電車に跳ねられそうになってしまいます。
すんでのところで、幼馴染みのヤマモトと名乗る男が
助けます。
ところが、青山隆は、ヤマモトが
幼馴染みと言われても
全く思い当たりませんでした。
ただ、何度も会ってアドバイスを貰ううちに
本来の明るさを取り戻して
徐々に仕事の成績も上がっていきます。
大阪弁で、励ましてくれているヤマモトですが
思い当たるフシがないので、
SNSなどを探していると
3年前に激務で鬱になり自殺した山本純をを見つけます。
そして山本純が、墓地行きのバスに乗り込むところを
目撃するのです。
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「ちょっと今から仕事やめてくる」の小説の感想は?
現実社会では、長時間労働や
パワハラなどから引き起こされるうつ病など
多くの問題となり、社会問題になっています。
チャップリンの映画『モダン・タイムス』が、
社会で働く労働というものを
風刺しているように
自分の時間を切り売りして、
一つの歯車になることが、働くことのように思っていましたが、
かなり深刻になってきているのでしょうね。
実際に仕事で思い悩んでいる人たちは
・とても勇気づけられた。
・感動した。
・この本や二人に出会えて良かった。
・読後感も良く、その後も、二度三度と読んでいる。
・大好きな本。
などと反響も多いようです。
ただ、もっと具体的に仕事場を変える方法など
いくらでもあるはずと、厳しい意見もありました。
確かに、働くことの意義って
自分の人生の一部のはずですが、
1日の大半を過ごすので、それが全てになっていることから
様々な問題が、引き起こされるような気がします。
価値ある仕事をしている充足感や
または、社長や上司または、周りにいる人から
大切に扱ってもらえることで、居心地が決まると思います。
それが、いいのかどうか別としても
長時間労働でも、いつも感謝されて
認めてくれる人たちの中にいたら
きっと、ストレスでうつ病まではならないのかもしれません。
上司や経営者側は、
従業員の適性を見極めて、適切な職場環境を作り
十分に能力が発揮できるようにしていくことが
仕事なのだと思います。
俯瞰した人間力も持ち合わせないと
コレもなかなか難しいことです。
仕事が、人生の全てではないこと。
自分の命は、両親の無償の愛で守られてきたもの。
と考えたら、命を粗末にしてはいけないという
作者の思いが溢れています。
「ちょっと今から仕事やめてくる」のネタバレは
ヤマモトの正体が、幽霊なのかというところも
気になるところです。
ブログに映っていて、自殺した男と
同じ顔のヤマモト。
主人公は、ブログを書いた人のところに
真相を確かめに行きます。
そこで、謎が明らかになります。
ここからは、ネタバレなので
小説や映画や漫画を見ている人は
見ないようにしてくださいね。
・・・・・・このあとネタバレ・・・・・・・
ヤマモトは、双子だったんですね。
山本純が、亡くなって、
山本優が、青山隆を助けた男でした。
双子だからこそ、助けることができなかったことを
後悔し、残された両親の悲しみも一層感じているだけに
山本優は、悩み続けていたわけです。
亡くなった本人も辛くて
どうしようもなかったからこそ
選んでしまった道ですが、
残された人たちは、生きている限り
後悔や無念をずっと、抱えたまま生き続けなればなりません。
どんな楽しいことや嬉しいことも
全部半減してしまって、心から楽しむことなんて
一生出来ないわけです。
物語では、真相を知り、
助けてもらった青山隆が
今度は、
山本優の支えになろうとするところで終わります。
わたしは、母親の立場で見てしまったのですが
ヤマモトと主人公の親の立場がとても共感できました。
ヤマモトである息子に対して、母親は、
逃げてもいいということを教えてあげなかったことを
後悔していると話すところに、ドキッとしました。
頑張れば大丈夫だよとか
あなたならできるから。
と言ってしまったことで、
救ってあげることができなかったと後悔します。
また、追い詰められている主人公の青山隆を案じて
誕生日ケーキをかってもってきてという母親。
何か、異変を感じたので、直接的に言わずに
顔を見せることができるような
きっかけを作る親の愛情の深さは
当たり前で見逃しがちなところです。
作者だけでなく
自分の命が、半分は親のものであり
家族のものであることは
悩んでいる人たちに、ぜひ届けたいメッセージです。
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